相続コラム・ガイド

法定相続情報一覧図の作成及び法務局への提出【その1】~相続開始後3ヶ月以内にやるべき手続【その4】

「法定相続情報一覧図」という今回のテーマ、なんとも聞き慣れない言葉で難しく感じるかもしれませんね。

そもそも「法定相続情報一覧図」なんて言葉、普段の生活で使わないですよね。しかし、この法定相続情報一覧図はとても便利なものなので、知っておくと役に立つ場面が多くあります。

この記事では、一つ一つの言葉をじっくりと解説していきますのでご安心ください。

法定相続情報一覧図とは

前回までの記事でも書いていますが、相続が開始すると、戸籍を集めますよね。被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人の現在の戸籍です。

そして、それらをもとにして相続関係説明図を作成します。

そして、この戸籍と相続関係説明図を法務局へ提出(法定相続情報一覧図は決められた様式がありますので、相続関係説明図とは少し様式は違いますが)すると、作成・提出された相続関係説明図の内容に間違いがない、つまり真正なものであることを法務局が「証明」してくれるのです。

そのような性質から、「法定相続情報証明制度」と呼ばれることもあります。つまり、集めた戸籍には一切の漏れがなく、作成した相続関係説明図は完璧なものであると、国からのお墨付きがもらえるのです。

自分が集めた戸籍や作成した相続関係説明図が正しいのか不安な人にはもってこいの制度ですよね。ですが、「いや、別に国のお墨付きなんていらないよ。」そう思われた方もいるかもしれません。

しかし、そのような方にもお勧めしたい理由があるのです。では、その理由を説明する為に、なぜこのような制度があるのか少し考えてみましょう。

この「法定相続情報一覧図を作成し、法務局へ提出する」という手続は、昔から日本に存在していたものではないのです。実は、平成29年から始まった制度で、比較的新しいものといえます。

先ほども述べた通り、相続が開始すると、集めた戸籍をもとに相続関係説明図を作成します。

この集めた戸籍と、作成した相続関係説明図を利用して、被相続人が保有していた銀行口座の解約手続や、被相続人が所有する不動産について相続登記手続を行っていくのですが(ここについては次回以降の記事で述べていきます)、集めた戸籍に漏れがあって、作成した相続関係説明図に不備があった場合、銀行や不動産登記の手続に支障が生じます。

当然ですが、足りない部分をまた収集しなければなりません。

そこで、今回の法定相続情報一覧図が登場するのです。

銀行や不動産登記の手続を行う前に、法定相続情報一覧図を法務局へ提出して、法務局のお墨付きをもらっておくと、後の手続きが安心して行えますよね。

また、一度、法定相続情報情報一覧図を作成しておくと、その情報は法務局に5年間保存されます。

仮に、相続時に把握していなかった遺産が見つかった時でも、5年間であれば法定相続情報一覧図が法務局で取得できるので、法務局で法定相続情報一覧図を取得し、再度、銀行口座や不動産登記手続にすぐに移れるので、将来的にも安心です。

法定相続情報一覧図が最も役に立つケース

さらに、ここで法定相続情報一覧図が最も役に立つケースを紹介します。

仮に相続財産に銀行口座が3つ(A銀行、B銀行、C銀行)あったとしましょう。法定相続情報一覧図を作成していなかった場合、A銀行の手続をするために、まず集めた戸籍一式と相続関係説明図を提出します。

そして、A銀行の手続が完了したら、次にB銀行へ集めた戸籍一式と相続関係説明図を提出します。

さらに、B銀行の手続が完了したら、C銀行へ集めた戸籍一式と・・・という流れになるのです。

つまり、遺産が多ければ多いほど、戸籍と相続関係説明図のセットを関係機関へ提出し返却を受けるという手続が増えてしまいます。

しかし、このような場合に、法定相続情報一覧図があれば、集めた戸籍と相続関係説明図を送ることなく、法定相続情報一覧図を各銀行へ提出するだけで良いので全ての手続がスムーズに進みます。

なぜなら、法定相続情報は国がお墨付きを与えたものなので、戸籍と相続関係説明図を提出する必要がないですよね。

このように法定相続情報はあると大変便利なものです。

法定相続情報一覧図の作成及び法務局への提出まとめ

まだスタートして間がない制度ですので、法定相続情報一覧図を知らない方もたくさんいらっしゃいますが、いずれはこの手続が相続する際には当たり前となっていくと思われます。

法定相続情報一覧図を作成することで相続手続がスムーズに進む、とても便利な書類であることがお分かり頂けたかと思います。

ちなみに、法定相続情報一覧図は、相続する財産が複数ある場合に役に立つものですので、相続財産が銀行口座1つのみ、不動産が土地と建物のみといった場合には作成しなくても大丈夫です。

もちろん、上述のとおり、作成しておくと5年間は有効ですので、将来的にご不安な方は作成しておくと良いですよ。

少し長くなってしまいましたので、法定相続情報一覧図の作成及び法務局への提出の方法について、次回の記事で解説したいと思います。

相続コラム・ガイド
2020.07.30 19:43

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