相続コラム・ガイド

被相続人が保有していた車を廃車にしたいときの手続き

以前の記事で【被相続人が自動車を所有していた場合の手続】というものがありました。今回の記事は、その自動車を「手放す方法」、つまり「廃車」にするというもので、前回の記事とは少しニュアンスが異なるものかもしれません。

なお、最初に注意しておいていただきたいのですが、被相続人が自動車を「ローン」で所有していた場合には、今回の記事が全て当てはまる訳ではないのでご注意ください。

被相続人が自動車を所有していたが、相続人の中にその車が必要な人がいない場合。また、その自動車を売却したとしてもそれほどの価値がないという場合。

このような場合には、自動車を保有しても意味がないから、いっそのこと廃車にしてしまいたいとお考えになる方もいらっしゃると思います。

自動車は保有しているだけで、色々とお金がかかってしまいます。そういう意味では不要な場合には手放すという選択も間違いではありません。

しかし、自動車を廃車にするという手続は、被相続人の方が生きていたときは、被相続人の方の意思のみで廃車にすることが可能ですが、一旦その車が相続財産に含まれてしまった場合には、そう簡単ではありません。実は、ここが勘違いされている方が多いポイントです。

自動車に乗るのではなく、廃車にするんだから手続は簡単じゃないの?と思われる方が非常に多いのですが、自動車は財産である以上、一人の方が勝手に廃車にすることはできません。

なお、正確に申し上げますと、相続手続を踏んでからでないと「一時抹消登録」の手続に移れないのです。

一時抹消登録と永久抹消登録の違い

少し専門的な言葉が出てきましたが、ここで、「一時抹消登録」と「永久抹消登録」の違いについて簡単にご説明します。

一時抹消登録
一時的に車の登録をやめるものです。一時抹消登録をした後に再度登録し車を利用することも可能です。
永久抹消登録
永久にその車の登録をしないこと、つまり、その車はもう使用されることはないということになります。

ちなみに、永久抹消登録は、相続手続の途中でも行うことができますが、永久抹消登録と相続手続は同時進行で行われなければならないことにご注意ください。

廃車の手続

自動車を使用するのではなく、一時であれ永久であれ、「廃車」にするのだから、特に遺産分割等の手続は必要ないだろうとお考えになる方が多いのですが、やはり相続財産である以上、正式な相続の手続を経ないと廃車の手続はできないことをご承知おきください。

自動車を相続するための具体的な手続については、以前の記事でお伝えしていますので、今回は、廃車の手続に絞ってご説明致します。

なお、ここで説明する廃車の手続は一般的な廃車の手続ですので、特に相続とは関係なく廃車の手続をしたい方も参考にしていただければと思います。

普通自動車の廃車手続き

まず、お車を解体業者に持ち込み、解体してもらいます。すると、外されたナンバープレートと、解体業者の方が「解体証明書」を発行してくれます。

車検証

なお、解体業者にお車を持ち込む際に、「特に」注意していただきたいことがあります。それは、車検の有効期限が残っているかということです。

自走しないくらい故障しているお車であれば、このような心配はないのですが、自走できるが車検が切れている車を運転することは法律で禁止されていますので、もし車検が切れている場合には、積載車の手配を必ずするようにして下さいね。

次に、運輸支局(陸運局と呼ばれるところです)へナンバープレートと解体証明書、車検証の原本、相続人の実印及び印鑑証明書を持参します。

あとは、運輸支局に備え付けてある所定の用紙に記入、提出等を行ってください。これによって、永久抹消登録が完了です。

なお、一時抹消登録をする場合には、遺産分割協議書を持参するか、法定相続人全員の実印と印鑑証明書が必要となります。

また、相続人を代表して手続を行う人へ委任状を渡し、委任を受けた人のみが運輸支局に行って手続をすることも認められています。

軽自動車の廃車手続き

解体業者へお車を持ち込むところまでは、普通車と同じです。

そのあとは、軽自動車協会(運輸支局の軽自動車版です。多くの場合、運輸支局と併設しています。)へ、

  • 外されたナンバープレート
  • 解体証明書
  • 車検証の原本
  • 相続人の印鑑(軽自動車の場合は、実印ではなく認印で大丈夫です。)
  • 代表者の方の住民票の写し
  • 相続人との関係が確認できる戸籍一式

をお持ちください。普通自動車の場合と同様、軽自動車協会に備え付けてある書類へ記入、提出を行えば手続は完了です。

なお、前回の記事でも触れていますが、運輸支局と軽自動車協会には地域ごとに若干ルールが異なる場合があります

申請書類の記載や、ルールについてご不安な方はお近くの専門家をお尋ねになると良いでしょう。

被相続人が保有していた自動車を廃車にする場合の手続きまとめ

さて、いかがでしたでしょうか。被相続人が保有していた自動車を廃車にする場合の手続について、お分かりいただけましたか。

前述しましたが、自動車は保有しているだけで多くのお金がかかってしまいます。

しかし、相続後、速やかに手続を行うことで、支払う税金を抑えることができる場合もあります。

特に、自動車重量税と自賠責は、車検が残っている期間分の金額が還付されます。

相続が発生した際には、自動車の名義変更あるいは廃車の手続についても速やかにご検討してみて下さいね。

相続コラム・ガイド
2020.07.29 15:33

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