相続コラム・ガイド

相続人の戸籍(現在のもの)の収集~相続発生後3ヶ月以内にやるべき手続【その2】

前回の記事では「被相続人の方の出生から死亡までの戸籍を集める」という内容を書きましたが、今回は「相続人の方の戸籍の収集」についてです。

この手続についても、お聞きになったことがある方が多いと思いますが、これは相続人となる方の現在の戸籍を集めることをいいます。

では、なぜ、相続人の方の現在の戸籍を集めるのでしょうか。それは、全員の相続人を確定させるためです。

・・・なんだ、それなら被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めるときと同じじゃないのかと思われた方もいらっしゃると思います。実は、少し意味合いが違うのです。

相続人が現在も「生きている」証明にはならない場合がある

被相続人の方の出生から死亡までの戸籍を収集すると、誰が相続人かがわかります。しかし、その相続人の方が現在も「生きている」証明にはならない場合があります。

被相続人とその配偶者は同じ戸籍にいますので、被相続人の除籍を取得すると、それは配偶者の現在の戸籍を兼ねることになりますが、その夫婦の子供たちが婚姻し、子供を戸主とした新しい戸籍を作成している場合、その子供たちの現在の戸籍を取得してみないことには生存確認が取れないのです。

ですので、その相続人が現在「生きていて」、そこからさらに新しい相続が発生していないことを証明するために、相続人の現在の戸籍を集めるのです。

しかし、実は、この相続人の戸籍を集めるという手続、場合によっては被相続人の方の出生から死亡まで全ての戸籍を集めるよりも大変な場合があるのです。

え?どうして?と思われた方もいらっしゃると思います。

例えば、被相続人が父、相続人が母と長男のみで、母も長男も確実に生きていることがわかっているような場合であれば、被相続人と相続人の数が少ないのであまり問題となりません。おそらく想像されたケースはこのような場合だと思います。

では、どのような場合に大変な手続となるか。それは、ずばり相続人の数が多いときです。具体的な事例で考えてみましょう。

AとBは夫婦であり、AとBの間には長男C、次男D、三男Eの子供がいます。そして長男CはFと結婚していましたが既に他界し、CとFの間には子供Gがいるとします。Cが死亡した後に、Aが死亡した場合、相続人はB、D、E、Gとなります。

民法の授業のような事例となってしまいましたが、この場合には、B、D、E、Gの現在の戸籍を集める必要があります。

この時点で相続人の数が少し多く感じませんか?

相続人となる4人全員が普段から親戚付き合いをしているような場合であれば、簡単に戸籍が集まるかもしれません。しかし、疎遠な相続人がいた場合、その居処を探すのも大変ですし、戸籍を探すのはもっと大変です。

そして、上記の具体例の中には、もう1つ大変な手続が含まれていることにお気づきでしょうか?

上記例の中で、亡くなっている人間はAとCです。つまり、被相続人Aの出生から死亡までの戸籍に加えて、Cも出生から死亡までの戸籍を集めなくてはなりません。この場合も、前回の記事で書いたとおり、Cの相続人となりうる人物を特定する必要があるのです。

このように一つの相続だと思えたケースにおいて、数人が亡くなっていたということは少なくありません。また、戸籍を収集してみて、はじめて知ったという場合もありうるのです。

ここでも、具体的にどうやって戸籍を集めていくかというと、Cの死亡時の戸籍を取得し、出生へとさかのぼっていく方法が良いでしょう。詳しくは前回の記事、「被相続人の出生から死亡までの戸籍の収集」をご覧になって下さい。

相続人の戸籍(現在のもの)の収集まとめ

相続人の数が多い場合や、相続人の中に既に死亡している人がいる場合は、登場人物が少ない相続に比べて、手続にかなり時間がかかることが多いです。

現金預金等の遺産を速やかに動かしたい場合等には、時間のかかりそうな戸籍の収集は専門家へ任せる方が良いでしょう。

また、相続人の現在の戸籍を集める際には、「戸籍の附票」も同時に集めておくことをお勧めします。

その理由は、今後のテーマである、

  • 相続関係説明図
  • 法定相続情報
  • 遺産分割協議書

で明らかにしていきます。

いかがでしたでしょうか。相続人の現在の戸籍を集める必要性、収集の方法がお分かりになったかと思います。

次回は、「相続関係説明図」について書いてみたいと思います。

相続コラム・ガイド
2020.06.29 14:46

Related

Pick Up

事業所リスト