相続コラム・ガイド

被相続人の戸籍の収集~相続発生後3ヶ月以内にやるべき手続【その1】

被相続人の方がお亡くなりになった後には、様々な手続きを行っていくこととなりますが、その手続きを行う際に必ずと言っていいほど必要になる書類がいくつかあります。その中で代表的なものといえるのが、「被相続人の戸籍を収集したもの」です。

お聞きになったことがある方も多いと思いますが、これは被相続人の方の出生から死亡まで全ての戸籍を集める必要があります。仮に、被相続人の方が、85歳でお亡くなりになった場合、当然ですが85年分の戸籍を集めることになります。聞いただけで、とんでもない量に聞こえますよね。どうして、こんな膨大な量の戸籍を集めなくてはならないのか。その理由を説明致します。

被相続人の方がお亡くなりになった後、唯一の相続人である貴方が、被相続人名義の銀行預金を解約しようと銀行に行ったとします。しかし、銀行の方から見ると、貴方だけが相続人であるとはわからないのです。もし貴方以外に、つまり実は何人も相続人がいた場合、貴方だけに預金を渡してしまうと、銀行は他の相続人から責められ、大問題になってしまいます。また、実際はたくさんの相続人がいるのに、「相続人は私だけです」と言って銀行預金を解約しようとする人が現れるかもしれません。

さて、唯一の相続人である貴方としては、自分だけが相続人であることを銀行の方にわかってもらい、スムーズに手続きを進めたいですよね。

ここで、被相続人の方の出生から死亡までの戸籍を収集したものが登場するのです。

誰が相続人となりうるかについてはご存知の方も多いと思いますが、まず、配偶者やお子さんは相続人となります。また、配偶者やお子さんが以内場合は、ご両親や兄弟姉妹が相続人となります。

誰かと結婚したり、子供が生まれたり(男性の場合、認知を含みます)すると、それは必ず自分の戸籍に記載されます。

つまり、被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めることで、被相続人の「相続人が誰であるか」を把握することができ、それによって相続人が確定することで、晴れて相続人が誰であるかを他人に対して証明することができるのです。

ですので、当然のことですが、集めた戸籍に漏れがあってはいけません。必ず出生から死亡まで全てがつながっている必要があります

具体的な戸籍の集め方~死亡から出生へとさかのぼっていく方が簡単

では、具体的にどうやって戸籍を集めていったら良いのか。

出生から死亡までというくらいなので、まず出生のときの戸籍から集めようとする方が多いと思いますが、実は、死亡から出生へとさかのぼっていく方が簡単なのです。

戸籍を取得する場合、「本籍」を知らなければならないのですが、出生時の戸籍の戸主というのは、被相続人の親の場合がほとんどです。つまり、貴方が被相続人の子供であるなら、祖父や祖母の戸籍となります。

なかなか祖父の本籍を知っているという方は少ないのではないでしょうか。そこで、まずは、死亡時の戸籍を取得し、古い方へとさかのぼっていく方法が良いのです。

被相続人の方の死亡時の本籍がわからない場合

被相続人の方の死亡時の本籍がわからない場合は、被相続人の方が最後にお住まいだった市町村役場へ行き、「本籍地が記載された除票」を取得します。これはいわゆる住民票のことです。

亡くなった方の住民票は除票という名前に変わるというイメージで大丈夫です。

この本籍地が記載された除票を確認することで、被相続人の死亡時の本籍がわかります。そして、そこに記載された本籍を管轄する市町村役場で死亡時の戸籍(除籍)を取得するのです。

次に、その除籍には、被相続人が以前、どこの戸籍にいたのか記載されている欄があります。その欄を確認し、以前にいた戸籍を管轄する市町村役場で従前の戸籍を取得します。

これを繰り返し、出生時まで戸籍を集めていくという流れとなります。

実は、この作業がかなり大変なのです。専門家へ頼んでも通常1ヶ月から2ヶ月はかかると言われています。

戸籍の取得は専門家へ頼んでも通常1ヶ月から2ヶ月はかかる

では、なぜそんなに時間がかかるのか。一つは、転籍(本籍地を変えること)を繰り返している場合、管轄する市町村役場が多数存在することがあります

この場合、遠方ですと、どうしても郵送でのやりとりになりますし、不慣れな方が請求をすると、請求書類等に不備があったりして、送り直しをしなければならないといったことが生じます。

また、現代の戸籍はコンピューター化されているので読みやすいのですが、少し古い戸籍は手書きのものがほとんどで、特徴的な書体の人が書いた字が判読できないといった場合も多くあります。この場合には、解読するのも骨が折れるという場合もあります。

こういった事情により、戸籍を全て集めるのにかなりの時間がかかってしまうことがあるのです。

被相続人の戸籍の収集まとめ

出生から死亡までの戸籍に漏れがあってはいけません。取得に時間がかかってしまうことで、どこまで手続が進んだかわからなくなってしまうということも起こり得ます。

ご不安な方は、一度、専門家の方へご相談してみるとよいでしょう。実際、被相続人の方の出生から死亡までの戸籍の収集は専門家へ依頼する方が多いようです。

いかがでしたでしょうか。被相続人の出生から死亡までの戸籍を集める必要性、収集の方法がお分かりになったかと思います。

相続コラム・ガイド
2020.06.29 14:11

Related

Pick Up

事業所リスト